「葬祭」という言葉は、葬式と先祖祭祀を併せ持った複合語の短縮したものと考えます。 葬式は言うまでもなく「死者供養」であり、そこでは実務的に遺体への対応と魂への「手立て」がなされます。具体的には遺体の安置や保全、納棺・火葬と宗教的な対応としては読経や受戒、戒名授与などがなされます。
その後の供養は精霊の祭祀であり、長期にわたり継続して総称的には先祖祭祀ということになります。具体的に命日やお彼岸お盆など季節のお墓参りや仏壇などへの日々の礼拝です。年忌法要としての「先祖供養」はだいたい定められた間隔で、三、七、十三、十七、二十三、二十七、三十三・・・以下宗旨宗派により異なります。これを回忌といいます。
これまで「葬祭」は地元・地域の共同体や菩提寺が中心となって、これを祀ってきましたが、社会環境や家族構成の大きな変化から、「家」観念や檀家意識が変容し、自分自身で自分の葬祭を考えておかねばならない時代が到来しました。
「私」をどのようにしてもらいたいか?と云う要望や希望を表明しておかなければなりません。そのためには、この葬祭を「学んでおく」とことが大事なことです。
また最近ではこの「葬祭」を「エンディング」と平易な言葉で表すことも多くみられます。エンディングノートなども浸透したようですから、是非こういう機会に眺めておくとよいでしょう。
出稿:日本葬祭アカデミー教務研究室 二村祐輔 ※無断転写を禁ず
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