◆家族葬
これまでの伝統的なお葬式は、主に近隣や地域共同体(町会・自治会)などが世話役として施行実務を担ってこれを葬儀社に委託していましたが、いまではお葬式の個人的な施行を望む人が増えて、これを「家族葬」という名称で執り行っています。内容的には訃報の制限で会葬人数の限定や祭壇規模の縮小、それに伴う飲食などの経費の削減が図られていますが、費用の問題ではなく故人意思の反映や喪主世帯の経済状態にも要因があります。
また、訃報連絡の差別や菩提寺との疎通で、後々のトラブルもよく聞く話です。そのため 十分に事前の根回しなどもしておくことが必要です。
最近では「葬儀」(ご遺体と宗教的対応)を家族葬で行い、事後関係者による「告別式的」(無宗教・故人らしい)なお別れ会や下部会をする人もいます。
◆一日葬
通夜弔問を省き、葬儀・告別式・火葬をその当日だけで行うお葬式手法ですが、一般的には24時間をすぎないと火葬はできませんので、どうしても「前日対応」が必要になってきます。
現代の会葬現況は圧倒的に夜に会葬する人が多く、いわば通夜の概念は喪失して告別式化しています。これは会葬者の業務時間に支障をきたしたくないと言う想いと、もう一つは親しかったからこそ駆けつけるという実利と心情が加算なっているものと思います。
ならば簡単なことです。夜に通夜兼お葬式を営み、翌日は身近なものだけで火葬場へ行くという進行にすれば解消します。一日葬を行いたいと思うならば、そのような施行が良いでしょう。考えてみれば本来「お葬式は夜の行事」でしたから。
出稿:日本葬祭アカデミー教務研究室 二村祐輔 ※無断転写を禁ず
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