お別れのスタイル

病院での死と実務(霊安室)

人は何処で死を迎えるか? 

 それは主に病院という、自宅ではないところが圧倒的に多いものです。

日本では、1970年代の高度経済成長で、核家族化が著しく自宅での死(在宅死)を減少させて、昭和51年を境に(1976年)、病院での死が在宅での死を上回るようになりました。

首都圏では95%近くが自宅以外の病院、療養所などの施設で亡くなられ、看取りの環境も大きく変化しました。

これらは福祉国家のノルウエーと同じ比率といわれていますが、アメリカやイギリス、ドイツではま半分くらいが在宅死といわれています。

 病院死の場合、実務的には手術室やICUなどの治療室、または病室で逝去した場合、「霊安室」に移されます。

この施設は病院にとってはダークサイト。だいたいわかりにくい場所、あるいは裏手など、きわめてマイナーなスペースであり、隠された場所といってもいいかもしれません。

病院によっては館内案内に明記されていない場所でもあります。

 もっとも霊安室ばかりがあまり立派でも戸惑いますが、できることならば遺族の気持ちも考えて、もう少しホスピタリティのある空間設備として考えてもらいたいものです。

それにしても、ゴミ置き場の隣りやバックヤードなど、あまりにも殺風景で陰湿な場所が多いのに愕然とします。

 その管理は主に提携している葬儀社が行っていることが多く、そこにはその葬儀社のスタッフが常駐しているのが普通です。

 病院提携の葬儀社というのは、かって大病院や有名病院との提携指定が大きな企業プライドになっていましたが、病院との癒着や遺族に対する強引な営業などが問題になり、少しは改善されたかもしれませんが、その場で葬儀社選択をすることも、少し浅慮すぎます。

霊安室での遺体安置はだいたい1日(24時間)を限度に、なされていることが多いので、病院の指定葬儀社で施行を依頼しない場合、早く遺体移送をせかされることもあるかもしれません。

そのような場合、主治医の医師や看護師に相談して、事情を話して少し待ってもらうようにお願いし、それを葬儀社に伝えてもらうようにします。

 また逝去の報を早急にしてしまった事から、遠方の近親者が病院に駆け付けるまで待機しなければならないケースも多くみられます。

危篤とは異なり、すでにご逝去されてしまった場合は、病院から移送した後の安置場所に来ていただくなど、再度連絡を取るか、葬儀の日時や場所などが決まってから、訃報連絡する冷静さも大切です。

 病院というところで、死に立ち会うことは大変戸惑いも多く慌てます。

そういう場面での思考能力は約1/3という心理学者もいます。

一般的な葬儀は、この霊安室から始まります。

冷静なご対応が望まれます。

出稿:日本葬祭アカデミー教務研究室 二村祐輔

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