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最近は「ホール葬」が主流です。

葬儀式場、葬祭ホール、セレモニー会館等々を葬儀社が作り始めたのはだいたい30年前くらいになるでしょうか。

都心よりも地方の方が早く普及したようです。もっともこれは土地価格の問題もあると思います。

このホールによって、お葬式が自宅以外の場所でなされようになりました。

自宅以外でお葬式を営むというと、当時はお寺の本堂や会館がありました。

今でもあるような大寺院の社葬用会館だけではなく、檀家がいろいろな事情で菩提寺で葬儀をすることもあり、そこの本堂が葬儀式場になることも時々ありました。

お寺ですから、すでに内陣など荘厳(しょうごん)がありますが、それを幕でふさいで白木祭壇や花祭壇が飾られます。葬儀としてはいい雰囲気です。お寺ですから。

ただしお寺によっては、遺族や参列者が正座しなければならないことがつらい試練でした。

10分も正座しているともう足がしびれて感覚が遠のきます。導師の焼香が済み、参列者の焼香がだいたい開式後、早くて20分ほどたったころ。しびれはピークに来ています。

正面に進み出て、立礼で焼香というときに多くの人が立ち上がれなかった記憶があるのではないでしょうか?それどころかよろけてひっくり返る人も見かけたことがあります。

あまりにこっけいな場面ですが、もちろん笑うわけにはまいりません。

不思議なもので、笑いというのはこらえればこらえるほど伝染するようで、何かきっかけがあると一斉に噴き出してしまいます。

これで、厳粛な式が一変します。昔、低俗番組の象徴といわれたような「8時だよ、全員集合!」など、ドリフターズの葬式コントでは、必ずその場面で大爆笑していました。懐かしい思い出です。

 お寺の本堂も畳敷きでにもかかわらず、今では椅子席がほとんどで、これも高齢社会でおみ足が悪いという人が増えたせいかもしれません。

それよりもお寺はすでに葬儀場所としては過渡期を過ぎ、私たちはほとんど専用の葬祭ホールを利用するようになりました。

葬祭ホールの快適さは、寒暖や天候に左右されないから「葬式が楽になった」といわれます。

個人的には、葬式を「楽に」していいのか?という思いもありますが、かっての自宅葬儀を経験した世代には、そのあわただしさや近隣への気兼ね、また狭い中での混雑など、思い返しても目まぐるしく多大な疲労感があとから来ました。

そういう意味では、体力的にも精神的にも「楽」になったことはいいことではないかと思います。

けれども楽になった分、私たちは「供養に専念」するということを忘れてはいませんか?

 

出稿:日本葬祭アカデミー教務研究室/二村祐輔   ※無断転載禁止

 

 

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